沖縄本島から約290km離れた海に浮かぶ離島、宮古島。
宮古島の海は東洋一美しいとも言われ、その海に魅了された人が毎年のように移住しています。
そんな宮古島での生活はどのようなものなのか?
宮古島移住の現実について、実際に移住した私が体験談をお伝えします。
プロフィール
(フナクスビーチ)
はじめまして、ゆきです。
宮古島の海に惚れ込み、大阪から移住。移住歴は1年以上になります。
宮古島へ来て、最初の2カ月間はゲストハウス「Hanahana」でのヘルパーとして活動。
その後は1年間居酒屋に勤務し、現在はWEBライターをしています。
宮古島移住を決めたきっかけ
私が宮古島を知ったのは、大学生の時。
写真を見た時から、「いつか行ってみたいなー」とぼんやり思っていました。
宮古島で人魚のように泳いでみたい
その思いが強くなったのは、奄美大島に旅行に行った時のこと。
現地のシュノーケルツアーで出会った1人の女性をきっかけに、「宮古島に住みたい!」という思いが強くなりました。
彼女は、泳ぐのがとっても上手。人魚のように優雅に泳ぐ姿に憧れました。
「宮古島にはよく行く」と彼女が話すのを聞いて、「いつか絶対に宮古島で泳いでみたい」と心に決めたのです。
宮古島移住の夢は諦めきれなかった
とはいえ、結局は大阪で就職することになり、すっかり「宮古島移住」のことは忘れてしまいました。
しかし、退職を機に自分を見つめ直し、「このままじゃきっと後悔する!」と思った私は、かつての夢だった宮古島移住を決意。
その1ヵ月後には、宮古島に移住しました。
「人魚みたいに泳いでみたい」という夢は、私にとって、どうしても諦めきれない夢だと気づいたのです。
宮古島移住で経験してきた仕事
大和井(ヤマトガー)
最初はヘルパーの仕事をすることにした
私は宮古島移住を決意してから仕事を探し始め、リゾートバイトをするか、(ゲストハウスの住み込みの)ヘルパーをするか、この2択で迷いました。
そんな時、Hanahanaのホームページを見て、お客さんやスタッフの笑顔にすごく魅かれたのです。
そして「ここでヘルパーがしたい」と思い、2か月間ヘルパーとして働くことに決めました。
ノマドワークができるWEBライターに
私は、ヘルパーの後は、居酒屋スタッフを経て、現在はWEBライターとして活動しています。
私は自分のペースで働ける「ノマドワーク」に憧れていたのでWEBライターを選びました。
宮古島は離島の割に好きな仕事が選べる
とはいえ、もし機会があれば、今度は「観光業」に就職しようと思っています。
リゾート地の宮古島の仕事は、飲食やホテル、ダイビングスタッフなどの観光業が多い印象です。
シーズン中は、かなり忙しく、どこも人手不足の状態。仕事に困ることはありません。
もちろん公務員の仕事や病院などの仕事もあり、宮古島は離島の中でも好きな仕事を選べる方だと思います。
宮古島移住者の日常生活
(砂山ビーチ)
宮古島は、いい意味でも悪い意味でも「何もすることがない」島。
あるのは、大自然と美しい海。しかも、スーパーなども充実しているので、日常生活で困ることはありません。
現在は、観光地や海に行く回数は減りましたが、今でも自然に触れ合うことは日常の一部です。休日は海に行ったり、早起きして海辺を散歩したり、天気がいい日はサンセットを見に行ったり。
宮古島だからこそできる、のんびりとした生活だと思います。
宮古島独特の「酒」の文化
(Hanahanaのゆんたくルームにて。旅人同士のおしゃべり、飲み会を「ゆんたく」と言います。)
「オトーリ」文化
「オトーリ」とは、「その場のお酒がなくなるまで飲み続ける」というお酒が強い宮古島民らしい文化です。
まず、“親”になった人が泡盛をコップに注ぎ、その場にいる誰かに渡します。そしてまた次の“親”へと引き継がれ、また繰り返し。これを参加者全員に繰り返します。
昔は泡盛が貴重だったため、みんなが均等に飲めるようにと回すようになったのが始まりなんだとか。
地元の人の間だけでなく、移住者の間でも行われる「オトーリ」は、人とのつながりを深める大切な風習です。
この発想はなかった!「模合」とは?
私はまだ参加したことがないのですが、宮古島には、「模合(もあい)」という相互扶助の文化もあります。「模合」とは、グループ内でお金を持ち寄り、毎回その中の誰かが、持ち寄ったお金の全額を持ち帰れるシステムのこと。
例えば、12人グループで毎月お金を持ち寄る場合、毎月1人が全額を持ち帰ると、1年で全員が均等に同じ額をもらうことができますよね。
模合はお酒を飲みながら行われるもので、なんとも沖縄県民らしくて笑ってしまいました。
宮古島で体験できるアクティビティ
(サバウツガー)
宮古島といえばやはりマリンアクティビティ。
ダイバーやサーファーが集まる島でもあり、「与那覇前浜ビーチ」ではジェットスキー、パラセーリングなども行われます。
初心者にはシュノーケリングがおすすめ
初心者にぜひ体験してもらいたいのは、シュノーケリング。
サンゴも豊富でカラフルな熱帯魚もたくさん見られるシュノーケルスポットがたくさんあります。
オススメは、伊良部島の「中の島ビーチ」と、宮古島の東側にある「新城海岸」。
サンゴ、魚、透明度は100点満点な上に、どちらも水深が浅いので初心者でも楽しめますよ。
中級者はアウトリーフを超えて深いところへ
少し深いところで泳いでみたい!という中級者の方は、アウトリーフ(サンゴ礁の外の海のこと)を超えないといけません。
伊良部島には、アウトリーフを超えた先に魅力的な地形がたくさんあります。
個人的には「中の島ビーチ」、「白鳥岬」、「サバウツガー」は大好きなポイント。
もっぱらスキンダイビング派の私は、泳ぐときには必ずアウトリーフを超えちゃいます。
監視員はいない
しかし、ほとんどのビーチは天然なので監視員がいません。
「自分の身は自分で守る!」という気持ちでいないと、海は本当に危険です。
泳ぐときは必ず数人で、ちょっとでも危ないと思ったらすぐに引き返す、など細心の注意を払って楽しみましょう。
宮古島移住の物件、家賃情報
(築60年ほどの5LDKの家)
宮古島の家賃は都会なみに高い
宮古島では、観光客や移住者の増加により、ホテルやマンションが急激に建てられています。人手が追いつかず、建設業者の多くも宮古島に移住し、さらに住む家も足りなくなるという悪循環。
その結果、ワンルームで家賃10万円を超えることもよくあります。“島暮らし”にもかかわらず、宮古島での賃貸は、都市部と同じくらいの費用がかかるのです。
とはいえ、2020年現在は、多くのアパートが完成してきたので、以前よりは少しは家賃も下がってきている印象です。
宮古島賃貸のおすすめ立地
のんびり住むなら来間島、池間方面
「お酒が好き」という方は、市街地に近いところに住むのがオススメです。ただし、築年数50年など、古い物件が多い印象。さらに古くても家賃が高いケースが多いです。
逆に、離島らしくのんびり住みたい方は、来間島方面、池間島方面に住むのがオススメ。家賃も抑えられ、また市街地から離れれば離れるほど空き物件は多くなります。
バランスがいいのは久松方面
個人的にオススメなのは、「久松方面」。おすすめのポイントは次の5つ。
●コンビニやスーパーも近い
●市街地ほど家賃が高くない物件が多い
●新築や築浅の物件も多い
●夜になると、あたりは真っ暗でとても静か
宮古島の中では一番バランスのいい地域だと思っています。
実際私も、以前は市街地に住んでいたのですが、現在は久松に住んでいます。
宮古島の物価は高い
正直、宮古島の物価は安くはないし、給与も高くありません。
土地柄、野菜はあまり育たないので基本的に野菜の値段も高いです。
鶏肉や豚肉は種類豊富で安価なのですが、牛肉は圧倒的に種類が少ないうえに価格が高い印象。
宮古島の生活費と給料
洗濯物を乾かすのにかさむ電気代
宮古島は湿度がかなり高い地域なので湿気は避けられません。
外に洗濯物を干しても全然乾かないので、室内でクーラーを使って乾かしますそして基本的に年中暖かい宮古島では、5月から10月くらいまではクーラーなしでは耐えられないほどの暑さ。
そのため1年を通して電気代は高くなりがちです。
沖縄の最低賃金は高くない
沖縄の最低賃金は、790円と決して高くはありません。
アルバイトなら一番高くても「時給1000円」ほど。正社員だとしても、「手取り15~17万円」ほどが相場です。
ただ、家賃や光熱費などの固定費が払えるだけの収入があれば、食費や娯楽費で3万円くらいで問題なく生活できる気がします。
宮古島にいると物欲は減る
ただ、家賃も物価も高く、賃金が安い宮古島ですが、島にいると物欲が沸きません。
自然と海に癒されて満足感があるので、「欲」が圧倒的に少なくなります。
これは、移住者ならきっと共感してもらえるはずだと思っています。
宮古島移住にかかった費用
私の場合、最初はゲストハウスに住み込みだったため、移住にかかった費用は5万円以内に収まりました。
「以前の家の退去費用」と「片道航空券代」のみ。
(ちなみに航空券の購入でおすすめの時期は、4月中旬~5月上旬、10月あたり。)
無職であっても、家さえ確保できれば現地で仕事はいくらでも探すことができます。
ゲストハウスヘルパーなら、家賃も光熱費も無料で、生活コストが低いので、ほとんど貯金なしに移住できます。
宮古島移住のメリット
私の思う宮古島移住のメリットは以下の3点。
●美しい海が毎日見れる
●ご飯がおいしい
●たくさんの人と出会える
ストレスが減った
私は移住して、ストレスが減りました。
宮古島には満員電車もないですし、人混みもありません。
都会のように忙しくもないので、マイペースに過ごすことができるのです。
美しい海が毎日見れる
(三角点)
やはり、一番のメリットは「美しい海が毎日見れる」ところ。
小さな島なので、行きたいと思った時に、行きたいところにすぐ行くことができます。何か嫌なことがあった時も、のんびりしたいなぁと思った時も、美しい海で癒されることができます。
こうしたスローライフを楽しめるのが、宮古島ならではの魅力です。
ご飯がおいしい
(人参しりしり)
移住して意外だったことは、「おいしいお店がたくさんある」こと。
一年住んでいても回り切れないほど、おしゃれなカフェや居酒屋がたくさんあります。
島の人が経営する居酒屋もたくさんあり、ディープな居酒屋やバーなどを開拓するのが楽しいです。
たくさんの人と出会える
(伊良部島)
宮古島に移住してからは、これまでとは比べ物にならないほどたくさんの出会いがありました。
ヘルパーの仕事をしていた時には、毎日が出会いと別れの連続で、2か月間で出会った人の数はは100人以上にのぼりました。
そのため、新しい価値観に触れる機会も多くなりました。
宮古島移住のデメリットと現実
(グルクンの唐揚げ)
地元の人いわく、「宮古島に移住した人のうち、ほとんどは3年で帰る」とのこと。
文化も違い、離島で不便なところもあるので、心から宮古島が好きじゃないと、3年ほどで飽きてしまうが現実です。
私が思う宮古島移住のデメリットは以下の4点。
●買い物できるところが圧倒的に少ない
●台風による停電が多い
●どこにいても知り合いに会ってしまう
●別れが多い
天気が悪い日はすることがない
まず、天気が悪い日は本当にすることがないです。
風が強いと海も荒れますし、ビーチに行く気にもなりません。
買い物できるところが圧倒的に少ない
当たり前ですが、大きなショッピングモールはありません。
おしゃれな洋服や雑貨が買えるお店は少ないので、基本的にネット通販で買うことになります。
(食材や日用品はスーパーで揃うので、日常生活に問題ありません。)
どこにいても知り合いに会ってしまう
宮古島は小さな島なので、どこに行っても知り合いに会ってしまいます。
それは、「どこにいても大体会える」という喜びでもあるのですが、「プライベートがない」と感じることも。
コミュニティが狭いことにストレスを感じる人には、辛いと思います。
台風による停電が多い
何より驚いたのは、7月から9月のに訪れる台風です。
沖縄は台風が多く、しかも宮古島は山もないので、台風が来ると激しい暴風暴雨になります。
しかも、宮古島では台風が来るたびに停電するのは当たり前。
かなり暑い時期にもかかわらず、クーラーもつけれない、お風呂に入れないという状態になります。
ただ、一度台風を経験してしまえば、その後は「台風が来たから、数時間後には停電するなぁ」という心構えに変わりました。
別れが多い
出会いが多いと別れがつきもの。
リゾートバイトで宮古島に来た人たちは数ヶ月で帰りますし、ゲストハウスにいた時は毎日が出会いと別れの連続でした。
やはり、別れは中々慣れないものです。いつかまた会えると分かっていても、寂しい気持ちになります。
最後に
(長間浜)
宮古島は、私の大好きな島。海の美しさも、日本一だと思っています。海が好き、お酒を飲むのが好き、のんびり田舎で暮らしたい、という方にはぴったり。
そして、宮古島には何か大きなパワーも感じます。島の海や自然に癒されて、どんどん浄化されていく感じ…
都会の生活に疲れてしまったら、宮古島でパワーチャージしましょう。
きっと、あなたも宮古島の虜になるはずです。