日本人の住みたい国ランキング13年連続1位*のマレーシア(*参照)。
若者だけでなく、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)ビザを利用したリタイア後の移住先としても人気です。
今回は、最近テレビでも時々取り上げられることが多い、マレーシア移住の実態について私の実体験をご紹介します。
プロフィール(マレーシア歴、仕事内容)
マレーシア歴1年10ヶ月のアヤと言います。
学生時代にマレーシアに1年間留学。大学卒業後、日本で2年半仕事をした後、マレーシアの企業に転職しました。現在はマレーシアにアジア統括オフィスをもつ欧米系の企業で、日本支部のマネージャーとして仕事をしています。
他にもフリーランスとして時々記事を書いたりしています。
マレーシア移住のきっかけ
(ランカウイ島:ジェットスキーでアイランドホッピング)
私は、学生時代から20代のうちに海外で働くと決めていました。そして、移住する国を考えた時、まずは留学時代の友達がいるマレーシアにしようと思ったのが、マレーシア移住のきっかけです。
他にもいろいろな国を旅して見てきましたが、マレーシアがいいと思った理由のうち主な5つをご紹介します。
(1)英語が通じる
初めてマレーシアに来た時に驚いたのは、マレーシア人のほとんどがシンプルな英語を話せることです。
どこのお店でも、店員さんに英語で聞けば英語で対応してくれますし、マレーシア語ができなくても日常生活で困ることがほとんどありません。
私の友人には英語を母語として育ったマレーシア人が数名いるほど、イギリス植民地時代の影響からか英語が一般的に使われています。
マレー系・中華系・インド系の民族が共存する社会であり、英語を共通言語としている面もあるようです(中華系・インド系のマレーシア人は日常的にはマレーシア語を使っていませんが、学校でマレーシア語を習得しているので話せます)。
ただ、田舎に行けばマレーシア語しか通じない地域もあります。
(2)フレンドリーな国民性に惹かれた
そしてマレーシアの人はフレンドリーで、良くも悪くも小さいことを気にしない南国気質な人が多い印象です。
私にはその余裕だったり、自分の時間を大切にし気持ちよく生きている感じがとても魅力的に写りました。
(3)ごはんが好き(特に中東料理)
食いしん坊の私にとって、食事は重要ポイントです。
実は私は中東アラブ料理の大ファンなのですが、マレーシアに移住してよかったのは、日本では数店舗しかない中東料理レストランが数多く、お手頃に楽しめることです。中東料理意外にも、タイ料理やベトナム料理といった周辺国の料理も味わえますし、本格的な中華料理、インド料理も楽しむことができます。
(マレーシアで食べる中東料理:ラムグリルとサフランライス)
(4)気軽に海外旅行ができる
マレーシアは地理的にアジア諸国へのアクセスが抜群です。
また11年連続でワールド・ベスト・ローコスト・エアラインに選ばれている*AirAsiaの拠点で、往復1万円ほどでタイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアといった東南アジア諸国へ1~3時間で飛べてしまいます(*参照)。
私は旅行が大好きなので、月1で海外旅行へ行っています。今まで、インドネシアのバリ島、カンボジアのアンコールワット、ベトナムのホーチミン、ダナンなど、日本からだと大型連休にしか行けないような地域に3連休で行ってきました。
(カンボジア:アンコールワットで初日の出)
私はまだ行ったことがありませんが、インドにも3時間あればいけるとのこと。
マレーシア人の約7割がイスラム教徒であり、イスラムに則った食事・モスクがたくさんあるので、中東諸国から観光客も多く、日本からは本数のすくない中東地域への直行便もかなり頻繁に飛んでいます。
(5)気軽に日本と往復できる
日本ーマレーシア間では、成田・羽田・関西・千歳・福岡空港とクアラルンプール間で直行便がでており7時間ほど。寝ているうちに行き来できる点も魅力です。
AirAsiaも就航しており、安い時には往復3万円ほどで往復できてしまいます。
マレーシア移住生活の現実
マレーシアの人の特徴
マレーシアの人はフレンドリーで、気さくな方が多い印象です。
マレーシアは他民族国家で、マレー系・中華系・インド系のマレーシア人がおり、それぞれの文化や習慣を尊重しながら生活している様子がよく伺えます。
外国人に対するアレルギーも少ないようで、気軽に家に招かれたり、家族の結婚式などイベントに呼ばれたりします。南国気質でおおらか、時間にルーズなところもありますが、私にはこの空気感があっているなと感じています。
マレーシアの多様な食文化
さまざまな食文化が影響しあっている
マレーシアの食事は「多様」の一言につきます。
ナシゴレンやナシアヤム(チキンライス)のイメージかもしれませんが、それだけではありません。
マレー・中華・インド料理をはじめ、それぞれの食文化が影響しあっているため、今まで食べたことのない中華料理、インド料理のメニューを楽しむことができます。
また、中東地域からの移民が多いことから、中東・アラブ料理のお店も多く、日本食も人気です。多国籍な料理を味わうことができるのがマレーシアの魅力です。
最近は、古くからの建物をリノベーションした洋風マレーシア料理のカフェや、アフリカン・カリビアン料理のお店なども出てきており、レストラン選びはとても楽しいです。
お酒を飲むこともできる
「イスラムの国だからお酒はあまり飲めないの?」という質問をされることがありますが、結論としてはバーやレストランで気軽にお酒を飲むことができます。
日本食レストランにいけば日本のお酒を楽しめますし、イタリアンにいけばワインを楽しめます。
ただ、お酒の値段は日本と同じぐらいで、マレーシアの物価と比較すると高く感じます。お酒を飲むとご飯代が2〜3倍に跳ね上がるのが特徴です。
(本格中華火鍋:漢方やスパイスの効いた激辛の鍋です)
マレーシアの物価、税金
物価は年々上がってきている
マレーシアの物価は日本の1/3と言われていましたが、年々物価が上がってきており、特に首都クアラルプールやペナン・ランカウイ島など観光地では日本の物価の2/3と考えるのが妥当かと思います。
ただ、住居に関しては比較的安く、東京の半額ぐらいで広い快適なコンドミニアムを借りることができます。
住民税はなく、所得税とサービス税がある
マレーシアの日常生活で関わってくる税金は、所得税とサービス税です。日本の住民税にあたるものはありません。
所得税は働く期間によって異なります。
6ヶ月目以降(非居住者):1~28%の所得に応じた累進課税
また、レストランでの食事やホテルの利用といったサービスに対して、6%の税率が適用されます。
マレーシアの移住生活費、住んでいる家物件情報
首都のクアラルンプールで一人暮らし、都心コンドミニアムに滞在し週2~3回外食するのであれば、13万円/月ぐらいかと思います。毎月旅行するのであれば+3~5万円ほど必要ですね。
食費:3万円
交際費:2万円
衣類・日用品:1万円
交通費・保険など:1万円
(旅行:3~5万円)
私は友人とルームシェアをしていて、電気光熱通信費含めて家賃を月6万円(2人で12万円)を支払っています。
●築6年目
●コンドミニアム2LDK
と言う条件なので、もうすこし郊外・築年数の長いコンドミニアムを選べば、家賃はもっと抑えられると思います。
マレーシアの移住生活のメリット
(クアラルンプールの地名の起源:2つの川の合流地点に立つマスジッド・ジャメ)
(1)QOLが上がる
移住したきっかけにも書いたとおり、英語が通じる・ご飯の種類が豊富・気軽に海外旅行できるというのは大きなメリットだと思います。それに加えて、比較的安く広いコンドミニアムで快適に生活できる点もQOLがアップするメリットに感じます。
他にも、人によってはメリットを感じる点として以下のようなものがあります。
●花粉症がない(私はひどい花粉症なので)
●一年を通して温暖な気候
(2)親日
マレーシアの人は親日のため、日本人だと言うと歓迎されることがあります。
アニメをはじめとした日本文化や日本食は人気があります。そして、同じアジア人なので、外見的に特別目立つことはなく、現地に溶け込めているような安心感もあります。
日本人だからという理由で、差別された経験は私にはありません。(観光地の市場で高めの値段を言われることはありますが交渉しましょう)。
(3)日本食が簡単に手に入る
日本食が恋しくならないの?と思うかもしれませんが、そんなことはあまりありません。
実はクアラルンプールには伊勢丹をはじめ日系百貨店が進出しており、日本食や日本の調味料が簡単に手に入ります。
日本人居住地域にはたくさんの日本食屋があり、新鮮な魚を提供する日系の寿司屋もあるので、食べ物で苦労することはありません。
しかし、ラーメン屋は日本のブランドが進出しているとはいえ、やはり日本で食べる方が美味しいなと思ったりもします。
(たまに日本のラーメンが恋しい:KLのばんからラーメン)
マレーシアの移住生活のデメリット
続いて、そんな魅力あふれるマレーシアのデメリットについてもご紹介します。
(1)四季がない
1年中温暖な気候の反面、四季がないのが少し寂しいかもしれません。
旬な食品をつかった季節限定メニューやスイーツというものがあまりなく、衣替えもないので、気分の切り替わりもないです。
ただ、クリスマスやハロウィンだけでなく、イスラム教・仏教・キリスト教・ヒンドゥー教のイベントにあわせた商品が出回り、ショッピングモールなどでイベントが行われます。
(2)ビザがないと長期滞在・仕事できない
これはマレーシアに限った話ではありませんが、ビザがないと年間180日以上の滞在ができません。
日本のパスポートを持っていれば、入国と同時に90日のSocial Visit Pass(観光・短期商用ビザ)が与えられますが、Social Visit Passでの90日まるまる滞在を2回するとそれ以上はビザなしでの滞在が不可になります。
また、Social Visit Passではマレーシア内で仕事をすることができません。就労ビザなしではマレーシア国内で収入を得ることができないので、マレーシアで何年か住みたいという場合は現地就職するなどビザの確保が必須になります。
オーストラリアやニュージーランドのようなワーキングホリデー制度はないので、マレーシア現地の企業や日系企業と1〜数年単位で雇用契約をし、フルタイムで就職することになります。
マレーシアに移住するには(渡航、ビザ)
(マレーシア屈指のリゾート島:ランカウイ島)
方法、手続き
就労ビザの取得は、基本的に所属企業を通して行うので、自身で直接手続きをすることはありません。ビザの条件は、職種によって変わるので企業に確認することをおすすめします。
私が就労ビザ申請のために用意した書類は以下の通りです。
●最新の英文履歴書
●パスポート全ページのコピー(表紙・裏表紙、空白ページも含む)
●英文の大学卒業証明書
申請に必要な書類は時と場合によって変わったりするようなので、日本にいる間から人事担当としっかりコミュニケーションをとることが重要です。
また就労ビザ以外にも、学生ビザ、MM2Hビザなど滞在目的により様々なビザがあります。詳しくはこちらの記事(マレーシア移住に必要なビザ10種類を解説します)が参考になります。
入国準備、費用
就職の場合、雇用証明書が出てから、学生の場合は学校からの証明書が出てから入国する必要があり、空港のイミグレーションでその証明書を見せることになります。
90日の短期ビザで入国した場合には、一度マレーシアを出て、日本または近隣諸国で数日滞在し、就労または学習などビザの内容に沿った目的で再度入国する必要がありますのでご注意ください。
ビザの費用は基本的には会社持ちのことが多いと思います。ただ、試用期間中に退職するとビザ申請代も請求されることがあります。その辺りは契約書に記載されているのでしっかり読む必要があります。
FAQ
(クアラルンプールのシンボル:KLタワー)
マレーシアでの失敗は?
失敗というより自分の不注意なのですが、留学時代にランニングするために陸上競技場の隅に置いておいたバッグと水筒が盗まれたことがあります。
バッグにはタオルと日焼け止め、鍵が入っており、部屋に入れなくなって困りました。マレーシアは治安がいいと言われていますが、日本にいる感覚で物を置いておいても取られないという保証はないです。
周りに同じように置いている人がいても真似せずに身につけておく意識が大切だと思いました。
怖い体験は?
自宅コンドミニアムの目の前でスリを目撃したことがあり、とても怖かったです。スマホを見ながら歩いていた観光客風の女性に、バイクに乗った男性が近寄っていき、鞄の中の財布をとってすぐに逃げていきました。
他にも、私の友人の話ですが、自動車の運転中、赤信号時に急に窓ガラスを破られ、助手席に置いてあったかばんを丸ごと盗まれたそうです。ショッピングセンターのエスカレーターで後ろの人にカバンを漁られた友達もいます。
外国人女性をターゲットにしたレイプ事件があったり、小さな子供の誘拐事件があるなど怖いニュースも目にします。外に出る時は緊張感を持って特に所持品には気を付け、夜遅くなった時には歩かずにGrabを使うようにしています。
日本で身につけておいたほうがいいことは?
ありきたりですが、英語です。就職の面からも生活面でも、英語ができるのとできないのとでは全然違うと思います。
マレーシア就職は英語ができなくても応募可能な職種もありますが、ビジネスレベルの英会話とライティングができると選べる職種が増えます。実際私も留学時代と前職で身につけた英語スキルのおかげで色々な企業・職種に応募することができ、1ヶ月かからずスムーズに転職活動を終えることができました。
生活面でも、英会話ができれば気軽にショッピングや旅行にいけますし、新しい友達を作る楽しみも増えます。
私がマレーシアにきて一番嬉しいのは、マレーシア人の友達だけでなく、オーストラリア、フランス、ドイツといった様々な国からの友達ができたことです。現地の話を聞けたり、お互いの国の食事を作ってパーティーをしたり、新しい視野が広がります。
まとめ
(旧正月にはマレーシア各地でライオンダンスが披露されます)
マレーシア移住の実態についてご紹介しました。ボンビーガールでも時折取り上げられ、マレーシア移住人気が高まってきているのではと感じています。
私はマレーシアに移住する決断をしてとても良かったなと思っていますし、今後数年は住むつもりでいます。
英語ができなくても応募できる職種はいくつかあるので、マレーシアにいって英語もこれからがんばりたいという人でも移住できる可能性はあると思います。
気になっている方は、一度旅行で足を運んでみたり、仕事に応募してみるなど早速行動されることをおすすめします!