イタリア移住に成功したいですか?
そらならまずは、現地の生活事情を知ることが大切です。
というのも、イタリア移住では、あえてイタリア人風に過ごすことが移住生活を楽しむ秘訣。
イタリア移住に魅力を感じてもらえるよう、少しでも参考になれば幸いです。
プロフィール
私は、1999年からイタリアに住んでいるイタリア歴21年目の主婦です。
2人の息子の母でもあり、在宅ライターとして毎日忙しい日々を過ごしています。
イタリアに移住したきっかけ
結婚がきっかけで始まった移住生活
私がイタリアに移住したのは、夫との結婚がきっかけでした。
夫との出会いは、趣味の仲間と知り合うジャーナルの海外文通コーナー。
少ない紹介文だけでも「この人だ!」というフィーリングがあって、すぐに応募したことを今でも覚えています。
イタリア語は生活の中で覚えた!
移住する前はイタリア語をまったく知らず、生活をしながら実践でイタリア語を覚えていきました。
先のことはあまり考えず移住しましたが、後悔はまったくありません。
そのため、日本へは21年間で3回しか戻っていません。いずれイタリアでの生活が私の人生の半分以上を占めることになりますが、自分らしい人生だと思っています。
イタリアの特徴
イタリアは、日本とほぼ同じ国土面積ですが、人口は約半分。
政治の拠点である首都ローマと経済を支えるミラノの2大都市が国の原動力となっています。
あちこちの都市で、ローマ帝国の遺跡や美術作品の魅力があったりと、それぞれの都市が独特の魅力を持っています。
イタリア人の特徴
(教会のクリスマスパーティー)
南北で性格が異なるイタリア人
移住して気づいたことですが、イタリア人は北部と南部では性格が異なります。
南部のイタリア人:人懐っこくオープンな人が多い
私が住んでいる北部では性格がサバサバしていて、必要最低限以外のことは関わらないことが多いです。
例えば、靴の値段を聞いた時には「靴に書いてあるよ」とあっさり言われます。逆に南部では、ホテルのフロントでシャンパン歓迎をされたり、観光地への行き方を率先して教えてくれたことがありました。
家族愛を大切にするのがイタリア流
そして、共通しているのは、家族をこよなく愛すること。特にマンマと子供の関係は、何歳になっても愛情豊かです。
それは親子だけに限らず、人が困っているときは誰にでも手を貸してくれます。
見返りを期待せずに、人のために尽くし、感謝されるだけで満足感を得る国民なのです。
「発言」=「実行」
このように基本的にイタリア人は親切なのですが、義理や建前という考え方はありません。
「発言」がそのまま「実行」だと捉えられます。そのため、即効的にイエス・ノーを求められた時には、しっかり発言に責任を持つことが大切です。
これは日本人にとって、始めはなかなか慣れないかもしれませんね。
ちなみに「No?」に同意する場合は、「Sì!(イエス!)」でなく「No!」で返答するので注意が必要です。
過去に病院である検査を「やりたくない?」と聞かれて「Sì!(イエス!)」と言ったら、検査をする羽目になってしまったことがあります。
考え方が合理的
また合理的に考える所も特徴で、無駄のないやりとりが得意です。
そのため、イタリア人には節約家の人が多いように思います。
イタリアの食事と文化
奥深いパスタの世界
イタリア人の主食であるパスタもパスタソースもバラエティ豊か。調理には、イタリア必須の調味料であるオリーブオイルが使われます。
あわせるワインも種類が多く、奥深い世界を楽しむことができます。
長年移住をしていても、まだまだ試したことのないグルメがいっぱいです。
ビスケットとコーヒーの質素なイタリア朝食
一般家庭の食事では、朝食はビスケットとコーヒーなどで質素に済ますのが通常です。
昼食と夕食にパスタや肉などをメインメニューとし、魚やお米はあまり食べません。
また”3時のおやつ”というものはなく、ランチの後に食べることが多いです。食後はエスプレッソで締めくくるのがイタリアンスタイル。
健康的なオイル!ただお菓子はかなり甘い
イタリアの食事はオリーブオイルが主役となっているため、脂肪こってりにはなりません。
ただ、低糖食品やベジタリアン用の食品も人気がある一方、通常のお菓子はかなり甘いものが多いです。
イタリア移住生活の現実
(住んでいるラヴェンナ市の住宅風景)
移住する時、1人なのか、また、日本人同士なのか、それともイタリア人家族と一緒なのかでは生活様式が異なると思います。
私はの家族は夫がも子供もイタリア人なので、日常すべてがイタリアンスタイルになりました。
イタリアの一般家庭の日常生活
ランチタイムは家族で過ごす
多くのイタリアの家庭は核家族で、家の近くで仕事をしています。
サラリーマンの場合はランチタイムに一時帰宅し、3時頃に再び出勤するのがクラシックスタイル。
私の家庭もランチタイムになると夫や子供が帰宅、午後に夫が再出勤するパターンです。
用事は午前中に済ます
また、用事は午前中に済まし、午後はゆっくりする傾向があります。
子供の学校は午後はありません。そのため、午後は、私は在宅業務をしながら子供と過ごしています。
また、夜にテレビを見るときは電気を消す習慣があり、ゆったりと映画館のようにテレビを楽しみます。
これは節約のためとも言われていますね。
イタリアの物価と税金
日本よりも物価は安い
イタリアの物価はそれほど高くはありません。
通貨が「リラ」から「ユーロ」になって物価が上がりましたが、それでも日本と比べるとかなり安いです。
ただ、実際に移住してイタリアで給与をもらうようになると、特別安いと感じることもなくなります。
イタリア生活はお金がかからない
そんな中、イタリア生活では意外とお金を使わなくても満足した生活ができところが特徴です。
●ファッションや美容などにお金をかける必要性があまりない
身なりの体裁を気にしないため、大きな出費が抑えられるのです。
消費税は高いが、物価が安く気にならない
イタリアの消費税は内税で、IVAと呼ばれます。
目的によって4%〜22%のIVAが加算されます(一般的な消費に対してはほとんど22%です)。
日本と比べると倍以上ですが、物価が安いのであまり驚くことはありませんでした。
そのほか固定資産税(IMU)や廃棄物税(TARI)、また銀行などの利息には36%の税金がかかります。
イタリア移住の生活費と家賃情報
イタリアの雇用状況は厳しい
就労ビザを取得して仕事で移住するなら、最低でも月収1,500ユーロは欲しいところです(イタリアの平均所得は約20,000ユーロ)。
ただ、イタリアの雇用状況は厳しく、パートや期限付き契約になり、収入が上がらないということを非常によく聞きます。
都心から離れれば家賃は安く済む
移住者にとって大きな生活負担となるのが、家賃や家の購入です。
私がイタリアにきた時は、個人宅の一部を借りていたので家賃は15,000円程度ですみました。
現在は、80㎡の賃貸料が400〜500ユーロのラヴェンナ市内のアパートを購入して住んでいます。
ミラノ:700〜1,500ユーロ
ラヴェンナ:450〜700ユーロ
イタリアでも日本のように、中心地や都心にいくほど賃貸料が高くなる傾向があります。
アパートは見かけによらない
今ご紹介したのは家賃で、実際にはこれに管理費や階段の掃除費などがプラスされるのが一般的です。
イタリアのアパートは内装を何度も修復するので、外観が古いから内装も汚いとは判断できません。アパートを選ぶ時のコツとして、以下のポイントがあります。
●水の出方や排水が正常
●ガスが共有でないか
●スーパーや銀行が近くにあるか
●バスやトラムの停留所にアクセスしやすい
アパートによっては、ガスを共有している場合があり、あまりガスを使わない人には割りに合わないこともあります。
イタリアの移住生活におけるメリットとデメリット
イタリアに実際に移住すると良し悪しも見えてきます。
ここでは、特に日本と異なるポイントをリストアップしてみました。
メリット
●住まいの駐車場は無料
●好きな時にゴミ出しできる
●押し売りがない
●雨季がない
イタリアは医療費が無料
イタリアの最大のメリットは、医療費が無料であることです。
薬代や検査代は所得によって異なりますが、診察から手術代まで大きな負担がかかりません。
健康保険や社会保険というものはなく、各々が所持する無料の医療カードがあるだけです。
路上駐車も可能
またイタリアでは路上駐車が可能です。
チェントロなど街の中心部では駐車料金がかかりますが、住宅街では駐車代がありません。
住んでいるアパートやマンションには、住居人ごとに決められた駐車場はなく裏庭にも自由に駐車できます。
デメリット
●対応が遅い
●さっぱりした食品がない
●街が汚い
●盗みが多い(特に大都市)
とにかく対応が遅い
イタリア人店員は1人1人に親切でたくさん時間をかけますが、店員の数は少ない傾向があります。
また金融機関では長蛇の列でも、1つしか窓口を開けなかったり、係員がいても受け付けないことがよくあります。
こちらが急かすと「おかしいんじゃないか?」と逆に責められることもよくあります。
あくまでも店員らは正しいという態度で突き通すものです。
イタリアに移住するための準備&ビザ情報
単身なら移住準備金は200万円程度必要
1人でイタリア移住するなら、移住開始準備金として1年間200万円(17,295ユーロ)を用意できれば良いと思います。
私は当初、イタリア人夫の家族に食事などをまかなってもらっていたので、とりあえず現金20万円ほど持参しました。
あとは必要に応じて日本の親から送金してもらいました。
ビザの取得条件と手続き方法
ビザは90日間以上の滞在に対して申請で、種類には主に労働・学生・家族の3つの種類があり、最長1年間有効です。
労働ビザ
4種類あり、すでにイタリアでの勤務先が決まっている方のみが申請できます。
サラリーマンなど一般的な労働ビザは、申請前に働く地域の県庁内にある移民統合事務局から労働許可書を得ます。個人で経営する士業などの自由業では、地方労働局発行の証明書申請が必要です。
家族ビザ
イタリア人との婚姻やイタリアに駐在している配偶者と一緒に住む場合に有効です。
配偶者が移住している県庁内の移民統合事務局に家族それぞれのビザの申請をします。事務局でビザが発行したことをイタリア大使館が認証して初めてビザの取得が可能です。
学生ビザ
また比較的移住期間が短い学生ビザは、語学や音楽など学業を目的に3ヶ月以上イタリアの学校で学習するための滞在ビザです。
学生ビザに関しては、アパートの賃貸契約書やホームステイ先の連絡先に加え、留学資金や海外傷害保険契約書などが提示が必要です。
FAQ
イタリア移住に関して、よくある質問をまとめてみました。
失敗は?
特にイタリア南部では支払い時に気をつけることが重要です。
ナポリで釣り銭を少なく渡されたことがあります。また、タクシーに乗ったときに、同じルートを周っていたことに気づかず、料金が上乗せになっていたこともありました。
怖い体験・犯罪は?
怖い経験は特にありませんが、スリや脅しなどはイタリアでは日常茶飯事の光景です。
しかし、夜歩きや、あらかじめ警告されている注意ゾーンに踏み込まなければ滅多に巻き込まれません。大都市ほど移民者も多く犯罪は起こりやすい特徴があります。
日本で身につけておいたほうがいいことは?
イタリアでの移住では、自主的に行動することや順応性が大事だと思っています。
日本のようにサービスが行き届いた便利な社会ではないので、能動的に動くことが必要です。
また、移住生活ではギャップを感じることはよくありますが、うまく順応することで移住生活を楽しむことができます。
もちろん、どうしても受け入れられないことに、無理に妥協する必要はありません。
薬は日本より強い?
私は、イタリアで市販薬を飲んでいますが、副作用が起こったことはありません。もちろん抗生物質でも特に異変を感じたことはないです。
サプリもさまざまな種類が販売されていますが、適量を守っていれば体調を崩すことはまずないです。
冠婚葬祭のマナーは?
イタリアの結婚式に招待されたら、女性は色に関係なくドレッシーな服装で参列します。男性はスーツが基本で、黒のネクタイをつけている人が多いです。
お葬式では男性も女性も黒い服装が基本です。イタリアではお葬式も教会で行われ、紫色はまざまな物に対しあまり好まれません。